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研修会で聞いた話

2015/04/30(木)
ある研修会で聞いた話です。
 ある母子家庭のお母様は、幼年時代から家が貧しく、学校にも行けず、無学な状況で嫁ぎました。
3人の子供を授かりましたが、夫は子どもたちが幼い内に亡くなり、
お母様は女手一つで子供たちを育てました。その3人の子どもたちは、3人とも独学で東京大学に入り、今や官僚や一流企業の管理職に就いています。
 その長男のAさんから、次のような話を聞きました。
 「自分の家は貧しくて何も買ってもらえない、勉強も習いに行けない…、ないない尽くしでやる気を失い、勉強をしなくなった時期もありました。そんな時、当然テストで赤点を取ってしまい、母に見せましたが、何も言われませんでした。その日の夜中にトイレに行くと、仏壇のある部屋から母の声が聞こえてきました。母が仏壇に声をかけていたのです。『あなた、ごめんなさい。私に学がないばかりに子供たちがこんな悪い点を取ってしまった。ごめんなさい…』と涙ながらに、亡き父に謝っていたのです。その母の寂しそうな後ろ姿やか細い声が今でも記憶に残っています。」
 それからAさんは目が覚め、お母さんにこんな思いをさせてはいけないと、必死に勉強し、弟たちにも勉強を教え、3人で猛勉強に打ち込んだのだそうです。 
 親は、どうしても「勉強をしなさい。」「あんたはだめね。」…と愛情の裏返しを言ってしまいます。でも、反抗期の子供は否応なく反発してしまいます。
 「親が何を言うか?ではなく、親が何をしているか?」なのかもしれません。
親の想いを伝えるには、遠回しでも、ひと工夫が必要なのかもしれません。

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